NOx・PM法とは?適合車と地域について

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排気ガス
 田舎でのんびりと運転していたい。しかし、次の配送先は首都圏になりそうだ。
トラックで首都圏を走る際に気になってしまうのは、NOx・PM法だ。
あなたのトラックはNOx・PM法の適合車かどうかをご存知だろうか。
そもそも、NOx・PM法とはどんな法律なのか。
というわけで今回は、NOx・PM法の適合車や対象地域などについてまとめてみた。


NOx・PM法とは

トラック

NOx・PM法とはどのような法律なのか


 NOx・PM法とはどういった法律なのかを知らなければならない。
NOx・PM法は正式名称が「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」というなんとも長ったらしい名称で、NOx・PM法とは略称なのである。

自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(1992年6月3日法律第70号、最終改正:2007年5月18日、略称:自動車NOx・PM法)は、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の抑制のため大気汚染防止法の特別措置法である。
自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法 - Wikipedia

とのことである。



NOx・PM法の内容


 NOx・PM法が排気ガスに関する法律だということはわかったと思う。というか、既に知っていた方も多いと思う。
では、このNOx・PM法の適合していない車両に乗っているとどんな事が起こるのだろうか。
NOx・PM法の排ガス基準値に適合していない車両は、対象地域に使用の本拠の位置を置くことが出来ないのだ。
また、継続車検も不合格になってしまう。
つまり、対象地域外のトラックには関係のない法律なのだ。
これで、安心して首都圏へ配達することが出来る...とは限らない。

一部の地域では、NOx・PM法よりも更に規制を強めた
ディーゼル規制条例を実施している。
そのディーゼル規制に引っかかってしまったトラックは
配達どころか、通行することも出来ない。

詳しくは、こちらの記事をご覧になっていただきたい。
ディーゼル規制の地域、罰金について




NOx・PM法の対象地域


 NOx・PM法の対象地域は以下の通りだ。

【対象地域】
埼玉県
さいたま市、川越市、熊谷市、川口市、行田市、所沢市、加須市、本庄市、東松山市、春日部市、狭山市、羽生市、鴻巣市、深谷市、上尾市、草加市、越谷市、蕨市、戸田市
入間市、鳩ヶ谷市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、
桶川市、久喜市、北本市、八潮市、富士見市、上福岡市、三郷市、蓮田市、坂戸市、幸手市、鶴ヶ島市、日高市、
吉川市、伊奈町、吹上町、大井町、三芳町、川島町、
吉見町、上里町、大里町、岡部町、川本町、花園町、
騎西町、南河原村、川里町、宮代町、白岡町、菖蒲町、
栗橋町、鷲宮町、杉戸町、松代町、庄和町
千葉県
千葉市、市川市、船橋市、松戸市、野田市、佐倉市、
習志野市、柏市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、浦安市、四街道市、白井市
東京都
特別区(23区)、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、
小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、
多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、瑞穂町
日の出町
神奈川県
横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、
小田原市、茅ヶ崎市、逗子市、相模原市、三浦市、秦野市
厚木市、大和市、伊勢原市、海老名市、座間市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、
愛川町、城山町
愛知県
名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、
春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、
豊田市(旧藤岡町、旧小原村、旧足助町、旧下山村、旧旭町及び旧稲武町を除く)、安城市、西尾市、蒲郡市、
犬山市、常滑市、江南市、小牧市、
稲沢市(旧祖父江町を除く)、東海市、大府市、
知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、
日進市、愛西市(旧立田村及び旧八開村を除く)、東郷町
長久手町、西枇杷島町、豊山町、師勝町、西春町、春日町
清洲町、新川町、大口町、扶桑町、七宝町、美和町、
甚目寺町、大治町、蟹江町、十四山村、飛島村、弥富町、阿久比町、東浦町、武豊町、幸田町、三好町、音羽町、
小坂井町、御津町
三重県
四日市市、桑名市(旧多度町を除く)、鈴鹿市、木曽岬町
朝日町、川越町
大阪府
大阪市、堺市、岸和田市、豊中市、池田市、吹田市、
泉大津市、高槻市、貝市、守口市、枚方市、茨木市、
八尾市、泉佐野市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、
松原市、大東市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、
門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市、島本町、忠岡町、熊取町、田尻町
兵庫県
神戸市、姫路市、尼崎市、明石市、西宮市、芦屋市、
伊丹市、加古川市、宝塚市、高砂市、川西市、播磨町、
太子町

かなり細かく指定されているので、あなた千葉に住んでいる
からと言って住んでいる地域が対象外の可能性もあるので、
新たにトラックを購入する場合には、確認しておこう。



NOx・PM法の対象車


 トラック(に限らず)の型式の最初の記号が以下の物は、
NOx・PM法に引っかかってしまう対象車両だ。

【規制対象車 - ガソリン、LPG車】
  • Z-
  • T-
  • M-
  • L-
  • J-
  • H-
  • 記号なし

【規制対象車 - ディーゼル車】
  • KE-
  • KC-
  • KB-
  • KA-
  • KP-
  • KN-
  • KM-
  • KJ-
  • KF-
  • KH-
  • KD-
  • Y-
  • X-
  • Q-
  • W-
  • U-
  • S-
  • N-
  • P-
  • K-
  • KR-(一部適合車あり)
  • KQ-(一部適合車あり)
  • KG-(一部適合車あり)



2007年に行われた法改正


 NOx・PM法をより推進するために、2007年に法改正が
行われた。
内容的には、直接トラック運転手には関係ないが、運送会社
などを運営している方には影響するものとなっている。
具体的にどのような改正なのかというと、以下の通りだ。

【局地汚染対策】
1.重点対策地区の指定
都道府県知事が、大気汚染が特にひどい地域を重点対策
地区に指定する。
2.重点対策地区の策定
都道府県知事が、指定した重点対策地区に関する重点対策計画を策定し、大気汚染の防止を図る。
3.特定建物の新設に関する措置
重点地区内に新たな交通需要を生じさせる建物を新設する場合、2.で策定された重点計画を踏まえ自動車排出窒素
酸化物等の排出抑制のための配慮事項等を届け出る必要がある。


【流入車対策】
1.指定地区・周辺地域の指定
・環境大臣が、重点対策地区の中でも流入対策を推進することが必要な地区を指定地区として指定。

・環境大臣及び事業所管大臣が対策地域の周辺の地域であって、その地域内に使用の本拠の位置を有する車両が指定地区に相当程度流入している地域を周辺地域として指定。
2.周辺地域内自動車に関する措置
・周辺地域内の使用の本拠の位置を有する自動車(以下「周辺地域内自動車」という。)を使用する一定の事業者(以下「周辺地域内事業者」という。)は、自動車排出窒素酸化物等の排出抑制措置の実施に関する計画を作成・提出し、定期の報告を実施しなければならない。

・周辺地域内自動車を対策地域内において運行する事業者及びこのような事業者に輸送を行わせる事業者は自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制に努力しなければならない。


【適合車ステッカーの導入】
これを機に、適合車ステッカーを導入した。
このステッカーは申請したものに配布されるもので、貼り付けの義務はないようだ。
ちなみに、ステッカーは平成17年排出ガス規制適合車用とそれ以外の2種類ある。



NOx・PM法に適合するには


 あなたのトラックが適合しない場合、どのような対策をすればいいだろうか。
手段は2つしかない。

【DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)を取り付ける】
DPFを取り付ける事で、適合できる場合がある。
あなたのトラックがDPFの取り付けによって適合車両になるかどうかは、取り付け業者に相談してみよう。
また、DPFの取り付けの費用は¥500,000~¥1,000,000以上と、かなりの金額がかかってしまう。

【トラックを買い換える】
一番現実的かつ、国の思惑に当てはまる手段が、トラックの買い替えだ。
無理して新車で買い替えなくても、新し目のトラックに買い換えればまだまだ適合できるはずだ。
実際にDPFを付ける金額を考えたらトラックを買い換えたほうが良いかもしれない。



NOx・PM法からの抜け道


 NOx・PM法を免れる裏ワザが存在する。
しかし、この方法を実行して逮捕者まで出ているので、絶対に実行しないように。

【車庫飛ばし】
対象地域で適合していないトラックを使用するには、トラックの登録地域を変更すればいい。
実際にどのような手順を踏んでトラックの登録地だけを変更すればいいのかは説明しないが、車庫証明を対象地域外で取得する必要がある。
こういった行為を「車庫飛ばし」と呼び、東京都民以外(栃木県民など)の自動車所有者が品川ナンバーなどに憧れ、車庫飛ばしを利用して所有自動車に品川ナンバーを付けたりするのが流行した。

おわりに

 いかがだっただろうか。
NOx・PM法は、自動車の登録に関する内容なので、走行するだけの場合なら気にしなくても問題ない。
しかし各地方自治体の条例であるディーゼル規制の場合は、走行することも不可能なので、事前に確認してから運転を開始しよう。
また、適合していないトラックに乗っているなら買い替えも検討にいれてみてはいかがだろうか。
~参考になったら、みんなにも教えよう~
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